主な仕事内容
介護サービス利用者の自宅に訪問し、日常生活をサポートします。具体的な仕事内容は介護度のレベルによって異なりますが、主な業務は「身体介護」「生活援助」「乗車・降車の介助」の3つです。
身体介護とは、食事・入浴・排せつなど、直接身体に触れて行う介助のことです。それに伴う準備や片付け、流動食の調理なども行います。近年は一定の研修を受けたホームヘルパーがたん吸引や経管栄養を行うケースも増えています。生活援助は掃除・洗濯・買い物などの家事、薬の受け取りといった身体に直接触れない範囲の業務です。乗車・降車の介助は通院などの外出時に行います。利用者を車に乗せ目的地まで運転し、受診手続きなどを介助します。
ホームヘルパーが担う役割
上記で述べた生活援助はいわゆる家事代行サービスに似た部分がありますが、実際には全く異なる仕事です。訪問介護は介護サービス利用者が普段通り生活できるように援助するものであり、特別な行為は業務範囲に含まれません。例えば、庭の手入れや他者の食事の準備、窓ふきなどは範囲外です。あくまで要介護認定を受けた高齢者に対するサービスで、利用者1人分だけの食事を作るのが面倒だからといって家族の分まで作ることは許されません。家族の部屋の掃除なども同様です。
また、介護や生活援助も重要ですが、利用者や家族に対して生活をする上でのアドバイスを送ることも仕事の1つです。介護が必要になった高齢者は社会活動に参加する機会が減り、気分が落ち込みやすくなっています。中にはホームヘルパーが自分にとって最も身近な存在という人もいるでしょう。介護者も日々の介護で疲れが溜まっています。ホームヘルパーはそういった人々の負担を軽減し、在宅介護を支えるプロとして活躍します。
大切なのは自立支援
介護と聞くと「できないことを代わりにやる」というイメージを持ちがちです。しかしそうではなく、意識すべきなのは「自立支援」です。身体的・精神的・社会的に豊かな生活を目指し、本人が工夫して取り組めるように後押しすることが大切です。介護度を維持する、あるいは軽くすることこそが本来の意味での自立支援です。
訪問入浴との違い
訪問介護の他に利用者の自宅に訪問するサービスとして訪問入浴があります。自宅での入浴が困難な利用者に対し、専用の浴槽を使って入浴介助を行うものです。こちらは入浴に特化したサービスなので、通常の訪問介護とは異なります。車の運転や浴槽の設置など、訪問入浴特有の業務が発生します。なお、介護職員は2人体制ですが、どちらか一方は資格がなくても働けます。